独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。

「俺は……どうしたら良かったんだ?」
「え?んー美咲の話をちゃんと聞いて、美咲の気持ちと自分の気持ちの丁度いいところ?で折り合いをつければよかったんじゃない?……ん?なかなか良いこと言ったな自分」

 自分で自分を称賛する。
 翼は落ち込みを振り払うように目の曇りを晴らした。

「まぁ、美咲から何も聞いてないし、翼くんたちに何があったのかはわからないけど。何事もチャレンジ!行動!後悔先に立たず!美咲に彼氏ができたとしても今できることをしてみたら?」

「頑張れ」と翼を励ますように拳をつくる。
 私は別に優斗くん派でも翼くん派でもない。
 が、どちらかというと翼くん派かな。

 美咲を強引に連れ去る様子に、ちょっと優斗くんには怖さを感じた。

 そうだ、と都はスマホを取り出す。
「良かったら大学での美咲の様子とか教えようか?今日の出来事はある意味、私のせいだし……罪悪感からのお詫び、というとあれだけどさ」

 勘違いされないように都は言葉を追加する。

「あ、これで仲良くなろうなんて魂胆はないから!翼くんはイケメンだけど私の好みじゃない!顔だけならドラムの人が好みかな!」
「アイツ女だけど」
「え?わかってるけど。」

 女性と男性が持つ雰囲気はなんとなく違う。
 ドラムの人が女性なのは見ただけですぐにわかった。
 でも良いじゃないか、顔が良ければ男も女も関係ない。

「顔が私の好みなら男も女も関係ないね!」
 
 都の思いがけない発言に翼は吹き出した。
「なんだよそれ、あははっ!あー、なんか少し晴れたわ。……じゃあ頼むわ」
「ん!頑張って美咲を取り戻せるといいね」
「……あぁ。」

 2人は連絡先を交換した。
 都の協力を得て、翼は前を向く。
 そんな彼に都は思いついたことを言ってみた。

「とりあえず、見た目からで髪の毛染めてみたら?」
「は?」
 
 
< 101 / 122 >

この作品をシェア

pagetop