独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
 *

 大学の門を出ると優斗が手を振って待っていた。

「美咲、お疲れ様」
「ありがとう。優斗もお疲れ様」

 流れるように美咲の荷物を取り、手を繋ぐ。
 美咲もそれを当たり前のように受け入れた。
 開けられたドアから助手席に乗り込み、ベルトをつける。

「都ちゃんと話してたのに大丈夫だった?」
「うん。特に何か話したくて話してたらわけじゃないし、大丈夫」
「なら良かった」

 優斗は美咲の手を握り、片手で車のハンドルを握る。
「危ないよ」
「……うん。でも美咲に触れたくて……我慢してたから」
「……っ」
 未だ慣れない優斗の甘い言葉にキュッと指に力が入ってしまう。

「じゃあ帰ったら……いい?」
「……うん」

 美咲の答えに満足したのか、優斗は手を離して両手でハンドルを握った。
 窓の外には優斗や翼、由紀の通う大学が見える。

「……。」
 美咲は考える事をやめた。


 *


 優斗の家に入り、荷物を置いて手を洗う。
 リビングに置いたままの荷物を寝室に移動しようと持ち運び、床に置くと優斗が後ろから美咲を抱きしめてベッドへと押し倒す。

「さっき、我慢したから……」
「……んっ」
 優斗は求めるように美咲に唇を重ねる。

「ごめん、こんな男で……美咲は嫌じゃない?大丈夫?」
 優斗はずるい。こんな体制でそんな表情で申し訳なさそうに私を見つめて。

「……だい、じょうぶ」
 考えることを放棄した美咲は頬を赤らめていた。
 何も考えないように、素直な胸の高鳴りに溺れる。

「美咲……」
 
 優斗は優しくキスを重ね、彼の手は美咲の体に触れる。
 大切なものを愛でるようにゆっくりと、そして彼女が決して離れないように深く、自分の愛を美咲に刻み込む。
 
 それは美咲が思考を失ってから何度目かもわからなかった。
 
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