独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。

第34話 終わりの始まり


 昨日の夜ご飯は喉を通らなかった。
 
 優斗には「ちょっと調子悪くて」と誤魔化したけれど、これがいつまで続くか。

 昨日の出来事からスマホを肌身離さず持つようになった。
 考え事をして眠れなかったからか、起きたらもう昼だった。
 
 昼ごはんを食べ終えてお皿をシンクに運ぶ。
 キッチンに立っていた優斗は美咲のお皿を受け取った。
 
「美咲ごめん、今日ちょっと用があって出るんだけど——」
 優斗はお皿を洗いながら外出予定を話す。
 その言葉にホッとして声が(わず)かに高くなってしまった。

「あ、そうなんだ!じゃあ私は家でゴロゴロしてるね!」
 美咲のトーンの変化に気づいたのか優斗は水を止めて美咲を見つめる。
「……俺いないの嬉しい?」
「え?!なんで!?」
「いや……なんかそんな気がして」
 鋭い優斗になんとか誤魔化そうと言葉を続ける。
 
「寂しいけど、……用事なんだから仕方ないでしょ?だったら少しでも誤魔化してテンション上げないと」
「……そっか。ごめん、なるべく早く帰ってくるから」
「……うん。」

 優斗は優しく唇を重ねる。
 不審に思われないよう、美咲もそれを受け入れた。

 支度を済ませた優斗を玄関で見送る。
「いってくるね」
「いってらっしゃい」
 まるで新婚夫婦のようにキスを重ね、優斗を送り出した。


 玄関の鍵を閉める。

 すぐにリビングに戻ってスマホを開いた。
 昨日は通知が来たらまずいと外せなかった2人のブロックを外す。
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