独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第35話 逃げた代償
荷物をまとめ、忘れ物がないか確認する。
大丈夫、……大丈夫なはず。
そろそろ翼たちがくる頃だ。
優斗からも帰ると連絡が来ていた。
大丈夫……優斗とちゃんと話せば……。
不安で何度も自分に言い聞かせてしまう。
何を怖がっているの?
ただ話し合うだけなのに。
「……最低だな、私」
つらいと優斗に甘えておいて、今度は自分の都合で彼から離れようとしている。
GPSだって私の勘違いかもしれない。
中身は見ていないんだから、確証はない。
証拠があるわけじゃないんだ。
思いとは裏腹に、体はソワソワと落ち着かない。
そろそろ来るだろうかとスマホを覗く。
連絡はなし。
その代わりスマホの設定から通知が来ていた。
少し前にスマホのバージョンアップに気づいてしたから、それかな?と思ってなんの通知かよく見てみる。
[あなたの近くでGPSトラッカーが検出されました。]
え?
玄関がガチャガチャと音を立てて開く。
衝撃と恐怖で声が出なくなった。
「ただいま、美咲大丈夫だった?」
玄関で靴を脱ぎ、キッチンを横切って美咲の姿を確認する優斗。
怯えた顔で優斗のことを見つめる彼女に彼は思考を巡らせる。
「どうし——」
「優斗、私にGPS……つけてた?」
美咲の言葉に優斗の体が少し震えた。
どんどんと表情が冷めていき、呟く。
「なんでわかったの?」