独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第37話 似た者同士
「もー、めっちゃ心配したんだから!」
「ごめん、都。由紀も翼も……本当にありがとう」
優斗の部屋から降りてきた美咲たちとも合流し、4人で駅へと歩く。
こうして美咲と過ごすのはすごく久しぶりだ。
「美咲にお礼を言われる資格なんて私には——」
「由紀」
言いかけた言葉を翼が止めた。
翼の真剣な表情に気づいたように半分目を閉じる。
「……そうだったね。」
翼とした約束を由紀は思い出す。
——『美咲には話すなよ』
『……それは』
『お前が美咲と俺に抱いてた感情も、やったことも全部。美咲にはいうな。』
『……』
『それがお前の罰だ』
『何も言わず、美咲のそばにいろ』——
つくづくこの2人は似ている。
優斗を許し、一緒に居続けようとする美咲。
由紀の黒さを知っても否定することなく友人でいろと言う翼。
「……本当、2人ってお似合いだよね」
あまりに小さく呟いたからか前を歩いていた翼と美咲には届かない。
その代わり、隣にいた都が反応した。
「本当にお似合いですよね」
「ん?」
「美咲と翼くん。ああ見えて美咲もなかなかな執着心持ってると思うから」
「……確かに、そうだね」
都の言葉に深く納得する。
何があっても私たちを離そうとしない美咲も相当。
独占欲に駆られているのかもしれない、と。