独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
「っあ?!」
翼は美咲を抱きしめて離さない。
こんなことをしている場合ではない。
美咲は翼に訴える。
「ちょっ!こんなところでやめてよ!時間!時間なくなるし!」
離れようと彼の胸に腕をつくが、抱きしめる力が強くて少しの空間を作り出すことしかできなかった。
顔を見せず、俯いたまま翼は何も言わない。
「……翼?」
聞こえているはずなのに、彼は無言を貫く。
「行こう翼、スタジオ終わっちゃうよ」
翼は首を横に振った。
「つば——」
急に顔を上げ、翼の瞳が真っ直ぐと美咲を捉える。
「美咲、俺と付き合って」
「だ、だから……」
「大好きなんだ」
真剣で余裕のない翼の姿に、美咲は言葉を奪われた。
言ってくる言葉はいつもと変わらない。
いつだって翼はまっすぐに、ストレートに美咲へ愛をぶつけていた。
変わらないはずなのに、今の彼には美咲の答えを待つ余裕が微塵も見えない。
「お願いだから……俺だけの美咲になって」
何が翼をそうさせたのか美咲には全くわからなかった。
彼の言葉と表情、態度に困惑を隠せない美咲。
翼は美咲の気持ちを聞くよりも先に自分の欲が——溢れ出してしまった。
「美咲が俺以外の男の——っ……想像するだけで、耐えられない」
翼は感情を押し付けるように美咲に顔を近づけて、そのまま。
美咲の許可を得ることなく、自身の欲望のままにキスをした。