独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
 翼のことを考えると一緒に彼の唇の柔らかさを思い出してしまう。
 (……キスってあんな感じなんだ)

 余計なことを思い出して美咲の顔が赤く染まる。
 
「?美咲、大丈夫??顔真っ赤だけど」
「だ、大丈夫!!!」
 手のひらで風を仰ぎ、必死に赤みを冷ます。
 自分の頭の中の煩悩も一緒に飛んでいけと素早く動かした。
 頭の中が落ち着くと顔の火照りも収まり、美咲は一度深く息を吐いて気持ちを整える。

 由紀に話すべきかわからない。
 でもこんなに寄り添おうとしてくれている彼女に対して何も話さないのは信用していないと言っているような気がして、美咲は話すことを決めた。

「……さっきね、翼に付き合ってって言われたの」
「……翼も懲りないね?」
 彼女の言う通り、翼の一途さはもはや執着とも思える。
 高校でも好きだ好きだと美咲に叫んでいたのを知る由紀は驚きもしない。
「あはは……うん、ずっと言ってくれてる。わかってる、翼は本当に私のことを大好きだって。でも、いつも自分の気持ちでいっぱいなのか、私の気持ちを聞こうとはしてくれない」

「……。」
 由紀はただ黙っていた。
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