独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第7話 河合優斗
美咲を初めて見たのは高校1年の時だった。
卒業式、その友人は俺の机にきて言った。
『なぁ!優斗、フェスとかいかね?』
特に高校の入学式まで予定のなかった俺は『まぁ、いいけど』と軽い気持ちで返事をした。
誘われて行ったフェスは、感じたことのない開放的な熱気と非日常的な雰囲気で満ちていて。
俺は生まれて初めて興奮した。
その空気に感化された俺は、高校で軽音部に入ると決めたんだ。
楽器は未経験だったが、何とかなるだろとその時は気楽に考えていた。
タレ目の癖の強そうな先輩が新入部員に向かって話す。
『はーい、じゃあ軽音部でのバンドメンバーを決めるよー。決め方は毎年くじ引きだから、引いて引いてー』
こうして部活内でバンドを組むことになり、くじ引きで決まったメンバーがあの2人。
「……中里由紀、ドラムやる」
「佐藤翼、ギター。少し前に始めた。」
「河合優斗、宜しく。ベースやる予定」
3人の自己紹介は淡白に終わる。
初めて見た時、翼は見るからに自我が強そうでめんどくさそうだと思った。
数年経った今でも実際、めんどくさい奴だと思う。
由紀はやけに綺麗な顔をした男だなと思っていたら下にスカートを履いていて女なのか……と驚いたな。
気怠げなあの姿は今も全く変わっていない。