独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
 見返してやろうと思ったんだ。
 でも現実は頑張ったからってすぐに上手くなる訳なくて、行き詰まる。

 そんな時だった。
 
 棘のように、誰彼かまわず刺していく人間の翼が誰かに優しく微笑むのを見たのは。
 
『失礼します。あ、翼ー!これ渡すの忘れて——』
『!美咲!!』
 俺を馬鹿にしたあいつが嬉しそうに、愛おしそうにその女子を見ていた。
 他の人間なんて目に入ってないみたいに夢中で見つめていた。
 彼女だけが愛おしいと笑っていた。

 これが初めて美咲を見た、俺の記憶。
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