独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第三話 出来心
「取った」
「……虫嫌い」
翼は鼻で笑った。
「知ってる」
イタズラに笑う翼、目を細め、その表情が気に入らないと美咲は眉間に皺を寄せる。
そのやりとりを遮るように声をかける優斗。
「美咲、行こう。時間無くなるよ」
「あ、ごめん!」
美咲は翼を離れ、優斗の開ける扉を出ていった。
「…………」
「随分と分かりやすい牽制だね?」
わざと美咲に触れた翼に嫌味を返す。
「……いつからだよ」
翼は優斗を鋭く睨む。
「……さぁ。いつだろうね」
パタンと話を切るように扉が閉まり、優斗は美咲の後を追っていった。
「っ……くそっ!!」
翼は衝動を必死に抑える。
一部始終を見ていた由紀は翼の様子を見て冷静に言った。
「翼はもっと美咲に対して落ち着いた方がいい。高校の時からずっと、愛が暴走しすぎだよ」
「……っうるせぇ」
本当は翼もわかっているのかその口調は言葉に対して弱々しい。
優斗と由紀は高校の時からの繋がりだった。
軽音部で何となく組んだバンド。
それが大学生になった今も続いている。
美咲は軽音部ではなかったけれど、翼といることの多かった彼女は自然と2人とも仲良くなった。
だからってなにも変わらなかった。
なのに。
人に対して興味の薄い優斗が
……他にも女は沢山いるだろ
なんで……美咲なんだよ
「……っ」
翼は頭を掻きむしる。
感情に任せるようにギターをかき鳴らした。
その後ろでただ座ったまま、見守る由紀。
彼女は翼の音に隠れて呟く。
「優斗だけ、と思っているのなら僕の演技もなかなかに上手いのかもね」
その声は翼に届かない。
————————————
コンビニはスタジオから出てすぐ隣にある。
目当ては飲み物、行く前に買うのを忘れてしまい美咲の喉はカラカラだった。
お茶……いや、ミルクティーにしようかな、んーでも……
なにを飲もうか悩みながら店内に入る。
「お茶?いつものミルクティー?」
後から来た優斗は美咲の思考を読んだように言い当てた。
「なんでわかったの?!」
「今日は飲み物飲んでないなって思ってたから」
優斗の観察力にはいつも驚かされる。
「本当よく気付くよね。この前、私がお腹痛くて我慢してた時もすぐに気づいて薬くれたし」
美咲はペットボトルのショーケースからお気に入りのミルクティーを取り出す。
「美咲のことは高校の時から見てるからね」
ショーケースを開けて優斗はお茶を取った。
「あはは、それもそうだね」
優斗の言葉に納得して笑う。
あ、ラムネも買いたいなー……
美咲はお菓子コーナーに進んでラムネを探す。
目当てのラムネは棚の一番下にあった。
しゃがんでパッケージを選ぶ。
後ろで優斗は美咲の背中を見つめ、ふと、翼の牽制を思い出した。
ほんの出来心だった。
いつもより距離を詰めて近づき、美咲の真隣にしゃがみこむ。
パッケージを真剣に選ぶ美咲はコロコロ表情が変わって面白い。
……可愛い
優斗の視線に気付いた彼女は「ラムネいる?」と聞いてきた。
「ねぇ、美咲」
「ん?」
「俺とデートしない?」
………………
「はい?」
美咲はラムネを床に落とした。
「……虫嫌い」
翼は鼻で笑った。
「知ってる」
イタズラに笑う翼、目を細め、その表情が気に入らないと美咲は眉間に皺を寄せる。
そのやりとりを遮るように声をかける優斗。
「美咲、行こう。時間無くなるよ」
「あ、ごめん!」
美咲は翼を離れ、優斗の開ける扉を出ていった。
「…………」
「随分と分かりやすい牽制だね?」
わざと美咲に触れた翼に嫌味を返す。
「……いつからだよ」
翼は優斗を鋭く睨む。
「……さぁ。いつだろうね」
パタンと話を切るように扉が閉まり、優斗は美咲の後を追っていった。
「っ……くそっ!!」
翼は衝動を必死に抑える。
一部始終を見ていた由紀は翼の様子を見て冷静に言った。
「翼はもっと美咲に対して落ち着いた方がいい。高校の時からずっと、愛が暴走しすぎだよ」
「……っうるせぇ」
本当は翼もわかっているのかその口調は言葉に対して弱々しい。
優斗と由紀は高校の時からの繋がりだった。
軽音部で何となく組んだバンド。
それが大学生になった今も続いている。
美咲は軽音部ではなかったけれど、翼といることの多かった彼女は自然と2人とも仲良くなった。
だからってなにも変わらなかった。
なのに。
人に対して興味の薄い優斗が
……他にも女は沢山いるだろ
なんで……美咲なんだよ
「……っ」
翼は頭を掻きむしる。
感情に任せるようにギターをかき鳴らした。
その後ろでただ座ったまま、見守る由紀。
彼女は翼の音に隠れて呟く。
「優斗だけ、と思っているのなら僕の演技もなかなかに上手いのかもね」
その声は翼に届かない。
————————————
コンビニはスタジオから出てすぐ隣にある。
目当ては飲み物、行く前に買うのを忘れてしまい美咲の喉はカラカラだった。
お茶……いや、ミルクティーにしようかな、んーでも……
なにを飲もうか悩みながら店内に入る。
「お茶?いつものミルクティー?」
後から来た優斗は美咲の思考を読んだように言い当てた。
「なんでわかったの?!」
「今日は飲み物飲んでないなって思ってたから」
優斗の観察力にはいつも驚かされる。
「本当よく気付くよね。この前、私がお腹痛くて我慢してた時もすぐに気づいて薬くれたし」
美咲はペットボトルのショーケースからお気に入りのミルクティーを取り出す。
「美咲のことは高校の時から見てるからね」
ショーケースを開けて優斗はお茶を取った。
「あはは、それもそうだね」
優斗の言葉に納得して笑う。
あ、ラムネも買いたいなー……
美咲はお菓子コーナーに進んでラムネを探す。
目当てのラムネは棚の一番下にあった。
しゃがんでパッケージを選ぶ。
後ろで優斗は美咲の背中を見つめ、ふと、翼の牽制を思い出した。
ほんの出来心だった。
いつもより距離を詰めて近づき、美咲の真隣にしゃがみこむ。
パッケージを真剣に選ぶ美咲はコロコロ表情が変わって面白い。
……可愛い
優斗の視線に気付いた彼女は「ラムネいる?」と聞いてきた。
「ねぇ、美咲」
「ん?」
「俺とデートしない?」
………………
「はい?」
美咲はラムネを床に落とした。