独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
(……こっち見ろよ、美咲)
「美咲は相変わらず由紀と仲がいいね」
知らぬ間に翼の後ろにいたミステリアスな空気を持つ穏やかそうな青年、彼は流れるように翼の隣に移動してニコニコと微笑んでいた。
「いたなら声かけろよ、優斗」
「今かけただろ?」
「ハッ」
呆れたように翼は鼻を鳴らす。
「優斗、おはよう!」
いつの間にか来ていた優斗に気付いた美咲は、由紀と抱き合う腕を緩めて彼に声をかけた。
「おはよう。美咲は今日も元気だね」
「そう?優斗の着てるカーディガン可愛い〜」
大きめのカーディガン。
オーバーサイズでダボっとしたシルエットは美咲の好みだった。
由紀の側を離れ、優斗に近づいてまじまじと服を見つめる。
「どこの?」
「んーどこのだったかなー」
「タグ見せてタグ」
おもむろにカーディガンの内側に手を入れ、タグを探す美咲に「わかったわかった!見るから!」と優斗は慌ててカーディガンからタグを見つけ出す。
少し不機嫌そうな翼に「おい、時間」と言われて2人は「あ」と姿勢を元に戻した。
公園の時計を見ると針は11時10分。
「そろそろスタジオに向かおうか」
優斗の言葉で4人は公園を離れ、ビルに囲まれた街中を歩いて進んだ。