独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第五話 自分勝手
息ができない。
苦しいほどの長いキス。
翼は美咲を離さない。
どこにも行かないでと縋るように、美咲と唇を重ねる。
「っ……!!いい加減にして!!!」
美咲はできるだけの力を込めて翼から離れた。
「……っ……」
美咲の瞳に涙が流れる。
その涙を見て、翼はようやく自分のしてしまったことの大きさを知る。
「みさ——」
「なんでいつも押し付けるの」
美咲の心から溜まっていた気持ちが溢れ出す。
「噛むのもやめてって言ってもずっとやめないし、キ、キスだって——」
ポロポロと溢れる涙が地面を濡らす。
「初めて……だったのに……」
「っ!!」
翼は自分のことしか考えていなかった。
罪悪感から、なにも言えずただ黙っていることしかできない。
「……もういい、翼が私の気持ちを無視するなら私も知らない。」
美咲はキッ!と涙に濡れた瞳を釣り上げ、翼を睨む。
「……デートに誘われたの」
「は!?」
衝撃的な言葉に翼は大きな声を上げる。
「翼が知ったら嫌かなって少し悩んでた。でも、もう知らない。」
美咲は決意したように翼に告げる。
「優斗と来週デートするから。絶対邪魔しないで」
「っ!!!ダメだ!!」
「知らない」と美咲は怒ったままスタジオへ戻ろうと踵を返す。
翼は引き止めようと腕を伸ばすが美咲の言葉を思い出して動けなくなる。
何も出来ず、拳を強く握りしめて立っていることしかできなかった。
——……
腫れた目のままスタジオに戻る。
美咲のおかしな様子に優斗と由紀が顔を見合わせた。
「……美咲……?泣いてるの?」
「……」
優斗は黙って美咲が由紀に答えるのを待つ。
美咲はどうやって誤魔化そうか悩んでいた。
変化に敏感な優斗は美咲の唇が腫れていることに気が付き、眉をピクッと顰める。
「ちょっと翼と喧嘩して……これスタジオ代。ごめん、今日は帰るね。」
美咲は荷物をまとめてスタジオを飛び出した。
「美咲!!」
由紀は自分の荷物を持って美咲を追いかける。
その後ろ姿を優斗はただ見守った。
俺は、美咲を傷つけたアイツの言い分でも聞いてやる。
自分勝手な理由なら——
優斗は翼を待った。
————————————
……足の向くまま、美咲はスタジオを飛び出し、待ち合わせ場所だった公園へと行き着く。
その後ろを由紀がそっと付き添い続けていた。
「美咲」
「……由紀」
噴水のヘリに座る美咲の瞳からは涙が溢れ続けていた。
由紀はその表情を見て優しく包み込むような笑顔を返す。
近づき、由紀は美咲の隣に座る。
「クレープ、食べに行く?」
「……え?」
「ワッフルでもいいし、たい焼きでもピザでもいいよ」
「美咲の行きたいところに行こう。美咲の気持ちのままに、付き合うよ」
由紀は美咲の涙を優しく拭う。
髪の毛を整え、優しく頭を撫でる。
「……女同士なら、何も気にしなくていいでしょ?」
いつもはそんな言葉をいわない由紀が美咲を気遣い、寄り添おうとしてくれていた。
高校でも、翼と喧嘩した時はこうやって由紀に話を聞いてもらったなと美咲は思い出す。
「……ありがとう由紀」
「私は遊びに誘っただけだよ。今、美咲と凄く遊びたい気分なんだ。……遊んでくれる?」
由紀は王子様のように屈んで美咲に手を差し出す。
本当に王子様みたいに見えてふふっと笑みが溢れた。
「もちろん。遊ぼう」
2人は手を繋いで歩き出す。
クレープ、ワッフル、たい焼き、ピザ。
お腹がいっぱいになる程食べてとても幸せだった。
苦しいほどの長いキス。
翼は美咲を離さない。
どこにも行かないでと縋るように、美咲と唇を重ねる。
「っ……!!いい加減にして!!!」
美咲はできるだけの力を込めて翼から離れた。
「……っ……」
美咲の瞳に涙が流れる。
その涙を見て、翼はようやく自分のしてしまったことの大きさを知る。
「みさ——」
「なんでいつも押し付けるの」
美咲の心から溜まっていた気持ちが溢れ出す。
「噛むのもやめてって言ってもずっとやめないし、キ、キスだって——」
ポロポロと溢れる涙が地面を濡らす。
「初めて……だったのに……」
「っ!!」
翼は自分のことしか考えていなかった。
罪悪感から、なにも言えずただ黙っていることしかできない。
「……もういい、翼が私の気持ちを無視するなら私も知らない。」
美咲はキッ!と涙に濡れた瞳を釣り上げ、翼を睨む。
「……デートに誘われたの」
「は!?」
衝撃的な言葉に翼は大きな声を上げる。
「翼が知ったら嫌かなって少し悩んでた。でも、もう知らない。」
美咲は決意したように翼に告げる。
「優斗と来週デートするから。絶対邪魔しないで」
「っ!!!ダメだ!!」
「知らない」と美咲は怒ったままスタジオへ戻ろうと踵を返す。
翼は引き止めようと腕を伸ばすが美咲の言葉を思い出して動けなくなる。
何も出来ず、拳を強く握りしめて立っていることしかできなかった。
——……
腫れた目のままスタジオに戻る。
美咲のおかしな様子に優斗と由紀が顔を見合わせた。
「……美咲……?泣いてるの?」
「……」
優斗は黙って美咲が由紀に答えるのを待つ。
美咲はどうやって誤魔化そうか悩んでいた。
変化に敏感な優斗は美咲の唇が腫れていることに気が付き、眉をピクッと顰める。
「ちょっと翼と喧嘩して……これスタジオ代。ごめん、今日は帰るね。」
美咲は荷物をまとめてスタジオを飛び出した。
「美咲!!」
由紀は自分の荷物を持って美咲を追いかける。
その後ろ姿を優斗はただ見守った。
俺は、美咲を傷つけたアイツの言い分でも聞いてやる。
自分勝手な理由なら——
優斗は翼を待った。
————————————
……足の向くまま、美咲はスタジオを飛び出し、待ち合わせ場所だった公園へと行き着く。
その後ろを由紀がそっと付き添い続けていた。
「美咲」
「……由紀」
噴水のヘリに座る美咲の瞳からは涙が溢れ続けていた。
由紀はその表情を見て優しく包み込むような笑顔を返す。
近づき、由紀は美咲の隣に座る。
「クレープ、食べに行く?」
「……え?」
「ワッフルでもいいし、たい焼きでもピザでもいいよ」
「美咲の行きたいところに行こう。美咲の気持ちのままに、付き合うよ」
由紀は美咲の涙を優しく拭う。
髪の毛を整え、優しく頭を撫でる。
「……女同士なら、何も気にしなくていいでしょ?」
いつもはそんな言葉をいわない由紀が美咲を気遣い、寄り添おうとしてくれていた。
高校でも、翼と喧嘩した時はこうやって由紀に話を聞いてもらったなと美咲は思い出す。
「……ありがとう由紀」
「私は遊びに誘っただけだよ。今、美咲と凄く遊びたい気分なんだ。……遊んでくれる?」
由紀は王子様のように屈んで美咲に手を差し出す。
本当に王子様みたいに見えてふふっと笑みが溢れた。
「もちろん。遊ぼう」
2人は手を繋いで歩き出す。
クレープ、ワッフル、たい焼き、ピザ。
お腹がいっぱいになる程食べてとても幸せだった。

