独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
 うんざりだった。
 
 男とか女とか、そんなのはどうでもいい。
 私は、私のままを見てくれる人が良かっただけ。
 性別に対して寛容になってきたこの時代、口では理解していても、生理的に理解するのは難しい。
 仕方のないことだとわかっているのに、私はどこかで愛を求めていた。
 
『美咲、大好きだ』
『もうわかったから……っもー!噛むな!』
 
 どこにいても美咲は翼の愛を受けていて。
 翼の異常なほどの独占欲と重過ぎる愛を見て思った。

 あの愛情が、視線が——欲しい。

 自分の欲しかったものを目にしてしまった私は誤魔化すように、溺れるように、快楽の中にある愛を他者に求めた。
 夜だけが私の求める欲望を満たしてくれたから。
 
 お互いに都合のいい関係、都合のいい女。
 何でも良かった、あの視線を向けてもらえるなら。
 そうやって偽りの愛を受け入れるたびに自分が壊れていくだけなのに。
 
 翼の重過ぎる愛が欲しいと思うのに、美咲のことも嫌いになれなかった。
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