独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
「親と喧嘩した?」
「うん、……たいしたことじゃないよ」
「由紀が落ち込んでるならそれはもう大した事だよ」
美咲に聞かれるまま、喧嘩の内容を彼女に話す。
女の在り方や自分らしさの否定、嗜好の無視。
美咲は痛みを感じているように悲しい顔をした。
『由紀は由紀のまま、そのままが一番素敵だよ』
その言葉は私に希望を与えてしまった。
美咲なら、壊れた私でも受け入れてくれるかもしれない。
愛に飢えて壊れていっている、親にも否定された汚い私を。
だけど、美咲は私とは違った。
壊れて偽物の愛に溺れた私とは。
彼女の心と体はとても綺麗だったから。
翼の愛が欲しい。
美咲が羨ましい。
でも、美咲のことも好きだと思う。
自分でも自分の気持ちがわからない。
「……本当何したいんだろうね?」
わからない。
けど、幸せになった私達は一緒にいられない。
私は幸せになった2人を見てる勇気がないんだ。
だから壊す。
自分の為だけに邪魔をする。
だって、2人の世界に私の居場所はないから。
由紀は虚しいような満たされるような入り乱れた気持ちで廊下を歩いた。