独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。

 ——……
 
 10分後、優斗はまだ帰ってきていない。
 心配になってスマホを開く。
 
 通知はない。
 
「どうしたんだろ……」
 顔を曇らせると背後からスッと手が伸びて美咲の首に何か付ける。
 怖くなって勢いよく振り返ると、目の前に優斗の顔があった。
「え!?優斗?!」
「待たせてごめん、これ買いたくて」

 自分の首につけられた物を見つめる。
 それはシルバーのチェーンにハートのチャーム。
 アクセサリー店で優斗が握っていたネックレスだった。

「買ったの?!」
「うん、美咲につけてあげたくて」
 
 これを買いに行っていたんだとすぐに理解する。
 
「え、もらっていいの……?」
「そのために買ってきたんだから貰ってくれないと困るよ?」
「……ありがとう」
 美咲はネックレスを見つめた。
 自分好みのアクセサリー、やっぱり優斗の観察眼には驚かされてばかり。
 だけど、アクセサリーのプレゼントなんて……いいのかな。

「長く待たせてごめん、行こうか」
 
 優斗は当たり前のように美咲に手を差し出す。

「……それ、まだ続くの?」
()()()()って言っただろ?」
 優斗は笑顔で微笑んだ。

 悩む。
 でも結局、優斗の「ん?」という優しい圧力に負けて手を握った。
 握った手を少しだけ引き寄せて、優斗はそのまま指を絡め、密着した繋ぎ方に変えてしまう。
 
 
「……っ」
 
 美咲の動揺を見なかったことにして優斗は歩き出す。

 
 Tシャツで隠れた首元では、美咲にあげたはずのハートのネックレスがゆらゆらと彼の肌に触れていた。
 
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