独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第3話 ほんの出来心
翼は頭を撫でて取り終わったかように穏やかな声で「取った」と美咲に告げる。
彼女は心底嫌そうな顔で「……虫嫌い」と呟いた。
彼は「知ってる。」と愛らしいものを見る目で美咲を見つめながら鼻で笑う。
無表情でその姿を見つめる優斗は2人のやりとりを遮るように声をかける。
「美咲、行こう。時間無くなるよ」
「あ、ごめん!」
美咲は翼の腕の中からするりと抜けて優斗の開ける扉を出ていった。
「…………」
彼女の出ていった扉を見つめる翼、視線だけを動かし隣に立つ優斗へ眉を顰める。
その表情の意味を知る優斗は口元を少しだけ上げて「……随分と分かりやすい牽制だね?」と翼を挑発した。
まるで『俺のものに手を出すな』とわざと彼女の髪へ触れた翼に嫌味を言いたかった。
翼はいろんな感情が混ざり、困惑した複雑な表情で優斗に聞く。
「……いつからだよ」
高校から今まで4年間、優斗があんなに美咲に好意を見せる姿は見たことがなかった。
どれだけ告白をされても、女子に囲まれようと動じない。
優斗のドライな性格から誰かに好意を持つなんて翼は意識していなかった。
『恋愛なんてめんどくさいもの、興味ない』と言い切った優斗の言葉と態度に、美咲と話していても安心していた自分がいた。
優斗は一度視線を逸らし、何か考えるように黙り込んだ。
すぐに視線を翼に戻すと「……さぁ。いつだろうね」と再び翼を見つめ返した。
話を切るように、優斗は扉を閉める。
彼はそのまま、コンビニへと向かった美咲の後を追っていった。
扉が閉まり、静寂に包まれるスタジオ。
翼は感情を爆発させるように叫ぶ。
「っ……くそっ!!」
激情を発散させたい衝動に駆られ、それを抑えるのに一杯一杯だった。
ドラムの前に座り無言で翼を見守る由紀。
一部始終を見ていた彼女は感情を溢れさせる翼に対して冷静に言った。
「翼はもっと美咲に対して落ち着いた方がいい。高校の時からずっと、愛が暴走しすぎだよ」
「……っうるせぇ」
拳を強く握る翼の力が少し弱くなる。
本当は彼もわかっているのか、その口調は言葉に対して弱々しい。
彼女は心底嫌そうな顔で「……虫嫌い」と呟いた。
彼は「知ってる。」と愛らしいものを見る目で美咲を見つめながら鼻で笑う。
無表情でその姿を見つめる優斗は2人のやりとりを遮るように声をかける。
「美咲、行こう。時間無くなるよ」
「あ、ごめん!」
美咲は翼の腕の中からするりと抜けて優斗の開ける扉を出ていった。
「…………」
彼女の出ていった扉を見つめる翼、視線だけを動かし隣に立つ優斗へ眉を顰める。
その表情の意味を知る優斗は口元を少しだけ上げて「……随分と分かりやすい牽制だね?」と翼を挑発した。
まるで『俺のものに手を出すな』とわざと彼女の髪へ触れた翼に嫌味を言いたかった。
翼はいろんな感情が混ざり、困惑した複雑な表情で優斗に聞く。
「……いつからだよ」
高校から今まで4年間、優斗があんなに美咲に好意を見せる姿は見たことがなかった。
どれだけ告白をされても、女子に囲まれようと動じない。
優斗のドライな性格から誰かに好意を持つなんて翼は意識していなかった。
『恋愛なんてめんどくさいもの、興味ない』と言い切った優斗の言葉と態度に、美咲と話していても安心していた自分がいた。
優斗は一度視線を逸らし、何か考えるように黙り込んだ。
すぐに視線を翼に戻すと「……さぁ。いつだろうね」と再び翼を見つめ返した。
話を切るように、優斗は扉を閉める。
彼はそのまま、コンビニへと向かった美咲の後を追っていった。
扉が閉まり、静寂に包まれるスタジオ。
翼は感情を爆発させるように叫ぶ。
「っ……くそっ!!」
激情を発散させたい衝動に駆られ、それを抑えるのに一杯一杯だった。
ドラムの前に座り無言で翼を見守る由紀。
一部始終を見ていた彼女は感情を溢れさせる翼に対して冷静に言った。
「翼はもっと美咲に対して落ち着いた方がいい。高校の時からずっと、愛が暴走しすぎだよ」
「……っうるせぇ」
拳を強く握る翼の力が少し弱くなる。
本当は彼もわかっているのか、その口調は言葉に対して弱々しい。