独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。

「?美咲?どうしたの?」
 隣でパスタをかき混ぜていた優斗は、美咲の挙動を不思議そうに見つめていた。
「あ、いや、今日優斗の部屋で一緒に寝るんだと思ったらな、なんか……」
「……想像しちゃった?」
 優斗の言葉にかぁーっと一気に熱が上がる。
 
 やっぱり男の人の部屋に1人で泊まるなんてダメだ。
 こんなの、襲っていいって言ってるようなもので……。
「や、やっぱり私帰るよ!男の人の家に1人で泊まるなんて……恋人でもないのに!」


「じゃあ、恋人になるのは?」


 時が止まる。
 優斗はフライパンを見つめ、呟いた。


「俺なら、美咲を苦しめたりしないよ」



 (……冗談?……それとも……本気?)

 わからなかった。
 でもその言葉は、冗談には聞こえなくて……
 美咲は何も言えず、袋を持ったまま優斗を見つめる。

「……なんて、今の美咲に言うのはずるいか。」
 そう言って笑う優斗の顔は、少し切なそうだった。


 *


 結局、パスタの味はツナマヨにしてみた。
 ツナマヨってどんな味?と思ったけれど想像以上に美味しくてリピートしたくなるほど。

 優斗の言葉に、私は何も言えなかった。
 
 私に対しての好意を感じるたびに優斗を意識してる自分がいた。
 翼のことが好きだと言っていたのに、こうして優斗の優しさに甘えて彼を意識してしまっている。
 矛盾、不純。
 自分が何をしたいのかわからない。

「明日は日曜日だし、俺は予定ないけど美咲は?」
「私も予定はないよ。親にも友達の家に泊まるって言ってるし大丈夫。」
「そっか、とりあえずお風呂……あ」
 優斗は気づいたように話を止める。

「……美咲、着替え無いよね?」
「あ。」
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