独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
すっかり忘れていた。
着の身着のまま来た私はお泊まり道具を何一つ持っていない。
「コンビニ、近くにある?今って色々売ってるよね?」
「あるよ。夜危ないし、ついていくよ」
「え、いいの?」
「逆に1人で行かせる方が怖いかな」
「……ありがとう」
優斗と2人、家を出てコンビニへと向かった。
玄関から出て鍵を閉めた時、同棲してるみたいだと思うと変にドキドキした。
暗くなった道を街灯頼りに優斗と歩く。
5分くらい歩くと近所のコンビニに着いた。
「うーんと……」
棚から必要なものを探す。
化粧水、乳液、ボディーソープにタオル。
歯ブラシと……下着もあった。
デザインは可愛く無いけどシンプルで履きやすそう。
さすがにパジャマは売っていなかった。
「パジャマ、俺のでいいなら貸すよ。大きいけどよかったら」
「そうしようかな。ありがとう優斗」
「うん」
必要なものを持ってレジに進む。
会計を終え、袋を持とうとすると優斗が先に持ってくれた。
「俺が持つよ、行こう」
ハマってしまったら抜け出せなくなりそうなほど優しい優斗。
優しすぎて今の自分には危ないとすら感じる。
一歩間違えたら優斗に心が向いてしまいそうだった。
「……優斗、絶対彼女いたことあるでしょ」
「……なんで?」
「動きがスマートすぎるもん」
「……まぁ、中学の時に居たはいたけど」
「やっぱり」
「でも」
夜の空気は2人の間をドラマのワンシーンのように彩る。
「美咲だから、甘やかしたくなる」
砂糖みたいに、優斗の優しさは依存性を帯びていて。
甘い甘味の幸福感に抜けられなくなりそうで、怖くなった。