独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第22話 安心という怠慢
「キスマーク、まだくっきり残ってるし1週間くらい泊まっていけば?」
それは朝食中の会話だった。
優斗の家で目覚めた私はゆっくりと布団を出て、眠たい目をこすりながらリビングに出た。
リビングのテレビはついていて、キッチンではトントンと料理をしている音が聞こえる。
「美咲、おはよう」
キッチンから美咲に向かって明るく笑う優斗に「おはよぉ……」と挨拶を返す。
「顔洗うならヘアバンドは洗面台の鏡裏にあるよ」
「ん……」
優斗に促され、ゆっくりと洗面に向かって歩き出す。
その姿が幼い子供のように見えたのか優斗は「ふふ」と小さく笑っていた。
顔に水を浴びてやっと目が覚める。
身だしなみを整えてリビングに戻ると優斗が朝ごはんを準備してくれていた。
「勝手にトーストとサラダ用意したけどよかった?朝は白湯飲むって昔言ってたけど今も?」
「よく覚えてるね?」
「よかった、置いとくね」
(これがスパダリと言われるやつなのでは……?)
もう何から何までやってもらって頭が上がらなかった。
お皿の前に座って優斗と朝ごはんを食べる。
「もう少ししたら帰るよ、長い間居座ってごめんね」
「……」
その言葉に優斗は何も言わず、マグカップを見つめた。