独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
第26話 小さな違和感
優斗と食事も終えてゆっくりしている時間だった。
「あはは!そんなことあるんだ?」
「うん。その先生作ったテスト印刷し直しに行けばいいのに、なぜかプロジェクターで問題写し始めて。それで……」
〜♫
机の上に置いていたスマホが鳴る。
「あ、ごめん。出てもいい?」
「どうぞ」
「ありがとう」
スマホを取り、画面をスライドしてキッチンの方に向かった。
「都?どうしたの?」
「あ、美咲?!あのさ、大学出て帰り道に翼くん見かけて。なんかヤバそうな人たちと一緒にいて翼くんも変だったから追いかけて繁華街の方きちゃったんだけど……翼くんそのままヤバそうな人たちとナイトクラブ入っていっちゃって……翼くん大丈夫?」
「え……?」
都の話に言葉が止まる。
やばい人?ナイトクラブ?
翼は確かに気は強いしそういうところにいそうな見た目もしてるけど、彼の純粋さは私が一番知っている。
翼はお酒も強くない、ナイトクラブに行ってるなんて聞いたことがない。
「どういうこと……?え、都は大丈夫なの?」
「私は近くのコンビニから見てただけだから大丈夫だけど……翼くんなんか変だったよ。心ここに在らずって感じで」
「……そっち行くよ。都まだ居る?」
「全然待ってるよ。ちょっと心配だし、位置情報送るね!」
「ありがとう」
(……翼、何してるの?)
なんでそんなところに……私のせい?
通話の切れたスマホを下ろし財布と鍵だけを手に持った。
「美咲?……どこか行くの?」
「ごめん、優斗。翼が……また連絡するから」
「え?」
優斗には話せない。
話せばきっと止められてしまうから。
優斗の言葉を振り切るように、感情のまま玄関を飛び出した。