独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
 *

 走った。優斗の家でよかったと思う。
 幸い繁華街から遠くもなく、20分もあれば着くことができた。
 最寄りの地下鉄を降りて都から送られてきた繁華街のコンビニに走る。

「あ!美咲」
 都はコンビニの外で待っていた。
 斜め向かいには翼が入っていったというナイトクラブが見える。

「都……ごめん、待たせて」
「いいよそんなの、走ってきたの?水飲む?」
「ありがとう……」
 不安のせいか走ったせいか、動悸がする。
 そのせいで息も途切れ途切れだった。

「翼は……?」
「まだ出てきてなくて……」
 どうしたらいいだろう。
 ナイトクラブなんて入ったことのない美咲は困る。
 入り口には厳つい男の人が立っているし、中に入っていく人たちも華やかで自分は場違いに感じる。
 翼の元に行きたくても行けない、もどかしい。

「どうする?」
「……とりあえず電話してみる」
 連絡先から【佐藤翼】を探し、タップした。
 耳にスマホを当てるとコールが1回、2回と鳴っていく。
 数回繰り返した後、急にコールが止まった。
 
「……美咲?」
 翼の後ろからは激しい音楽と女の人の声。
 その声の近さから翼に密着しているのがわかった。
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