独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。

第27話 逃がさない。


 頭の中の整理がつかない。
 なんで優斗が?私の後を追いかけてきてたの?

(でも……)

(誰も後ろになんて……)


 美咲の疑問へ答えるように、優斗は言った。

「いきなり飛び出してびっくりして……走ってなんとか追いつけたよ」
「あ…………ごめんなさい」
 
 申し訳なさで思考が曇る。
 都の言葉を聞いて飛び出したからビックリするのは当たり前だった。
 
 優斗は視線をずらして翼を見つめる。
 その目は鋭く、冷たい。

「で、翼。お前はこんなところで何してるの?」
「……」
 翼は気まずそうに視線をそらし、泳がせる。
 その態度に優斗は呆れた様子で言葉を続けた。

「……拒絶されてどうでもよくなったのか?それで美咲を心配させてお前は何がしたいんだよ」
「俺はっ……」
 翼は勢いよく何かを言いかけるが、本人もうまく言葉にできないのかまた黙り込む。
 苦しそうに顔を(しか)めるだけでそれ以上翼から言葉は出なかった。
 
「……美咲帰ろう。翼は放っておけばいい」
「でも……」
「本人が変わろうとしなきゃ、周りが言っても変わらないよ。それに」


「美咲の今の彼氏は俺だ。」


 優斗はわざと翼に聞かせるようにはっきりと言った。
 
 心がざわつく。
 なんで、わざわざ翼の前でそんなことを……。

 違う。
 翼の前だから言ったんだ。

 優斗は()()()()()()()()()()()()、言ったんだ。

 自分の心が揺れているのがわかる。
 優斗との今の関係を翼に知られたくないと思っていた自分がいた。
 都合よく、今だけだからと言い聞かせて、優斗に甘えて過ごしてきたくせに。
 心の奥では翼を想っていたくせに。

 私は


 最低だ。
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