独占欲の強い幼馴染はいつも私を噛みたがる。
取り返しのつかない現状に手が震える。
翼の顔を見るのが怖かった。
ねぇ、お願いだから私を——見ないで。
翼は衝撃に瞳を揺らす。
信じたくないと、嘘だと言ってほしいと願うように美咲を見つめた。
その視線に何も言えず、目をそらすしかなかった。
「……っ」
翼は顔を歪める。
美咲のその行動は肯定だと嫌でもわかる。
優斗は2人の空気を察することなどしなかった。
「こんな時間に女の子2人をお前のせいでこんなところに来させたんだ。責任もって都ちゃんくらいは駅まで送っていけ。俺は美咲を連れて帰る。」
そのまま優斗に手を引っ張られる。
都はどうしたらいいのかわからないと慌てるように連れていかれる美咲を見つめていた。
「ゆ、優斗待って!まだ都と話も終わって」
「ねぇ美咲。」
——逃げなきゃ。
本能でそう思った。
優斗は怒っている。
「俺との時間を放り出して男の元に行った彼女に、俺はこの気持ちをどうしたらいい?」
やっと気づいた。
1週間限定の恋人だなんて都合のいい言葉に甘えた自分の浅はかさを。
優斗の静かに侵食する愛情に自分はもう逃げ場を失いつつあることに。