こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
今まで必死に真面目に働いてきた。なのにどうして信じてもらえないのだろう。
言うべきだろうか、慶太とつきあってふられたこと。二股をされて月菜に編み物を取り上げられたことを。
「西垣さんがかわいいからって嫉妬はよくないよ。岸山くんに交際を断られて逆恨みしていたそうじゃないか」
彩羅はがくりとうなだれた。
月菜を信じ切っている課長に、今から自分が先につきあっていたのだと言っても嘘だと思われるだろう。
月菜は愛嬌があって普段から課長とも仲良くしている。社交性の高さをうらやましく思っていた。引き換え自分は積極的に誰かと仲良くすることなんてできない。こんなところでそれが足をひっぱるなんて。
「西垣さんと接触せず、二度といじめなんてしないように」
「……はい」
彩羅は悔しく返事をした。これではとうてい正社員登用は無理だろう。
会議室を出ると、フロアの目が一瞬自分に集まったあと、さっとそらされた。
もうみんな知ってるんだ。朝のひそひそ話もきっとこのことだったんだ。
おそらくは月菜が言いふらしたのだろう。
コツコツ積み上げたものを、一瞬で崩された。
日々の努力は、こんなにもあっけなく崩壊するものなのか。
もう辞めよう。
席についた月菜はすぐに退職願を書き始めた。
言うべきだろうか、慶太とつきあってふられたこと。二股をされて月菜に編み物を取り上げられたことを。
「西垣さんがかわいいからって嫉妬はよくないよ。岸山くんに交際を断られて逆恨みしていたそうじゃないか」
彩羅はがくりとうなだれた。
月菜を信じ切っている課長に、今から自分が先につきあっていたのだと言っても嘘だと思われるだろう。
月菜は愛嬌があって普段から課長とも仲良くしている。社交性の高さをうらやましく思っていた。引き換え自分は積極的に誰かと仲良くすることなんてできない。こんなところでそれが足をひっぱるなんて。
「西垣さんと接触せず、二度といじめなんてしないように」
「……はい」
彩羅は悔しく返事をした。これではとうてい正社員登用は無理だろう。
会議室を出ると、フロアの目が一瞬自分に集まったあと、さっとそらされた。
もうみんな知ってるんだ。朝のひそひそ話もきっとこのことだったんだ。
おそらくは月菜が言いふらしたのだろう。
コツコツ積み上げたものを、一瞬で崩された。
日々の努力は、こんなにもあっけなく崩壊するものなのか。
もう辞めよう。
席についた月菜はすぐに退職願を書き始めた。