こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「いいタイミングで来たな。同席しても?」
「いいよ~!」
 彩羅より先にマリリンが答える。
 万葉は迷わず彩羅の隣に座ろうとするから、彩羅は慌てて窓際に身を寄せた。
 隣に万葉がいると思うと、どうにも落ち着かない。
「勉強してたのか」
「ここわかんなくって」
「ああ、それは……」
 ぱっと見ただけで万葉は解き方を解説しはじめて、彩羅とマリリンは食べるのも忘れて聞き入った。
「万葉っち、すごいね。あーしはそもそもマイナスとマイナスをかけたらプラスになるのが納得いかなくってつまづいたから数学はダメ」
「当たり前と思っていることに疑問を感じられるのはよいことだよ。君は頭がよいからこそ勉強でつまずくタイプかもな」
「ま?」
「はい、お待たせ」
拓斗に声をかけられ、マリリンが教科書やノートをかたづける。
 彼はテーブルに四人分の皿を配膳すると、マリリンの横に座った。
「勉強会、俺も混じっていい?」
 拓斗がにこにこと言う。
「だったらお前は椛川さんに教えろ。俺は彩羅さんに教える」
「彩羅っちはもう卒業してるじゃん」
「まあそうだが」
 万葉は憮然として、彩羅はくすっと笑う。
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