こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「遅い」
いらっとした様子に、月菜はむっとする。
「俺は忙しいんだ、このあとサンプルを持ってエルネスに行くんだから」
慶太は一角にある段ボールを示す。
「ほんとに? 私、エルネス大好きなの!」
糸を作る会社なんてと思っていたが、ブランドと取引があるなら話が変わってくる。だから彩羅は正社員になりたがっていたのか、と納得もする。
「ほらよ」
慶太が平たい長方形の箱を取り出し、蓋を開ける。中の紙を開くと、黄色の布地が見えた。
「地味。黄金の生地って嘘? 蜘蛛が作った糸なんだよね?」
そう思うと急に気持ちが悪くなってくる。
「文句ばっかだな」
もういいだろ、と言わんばかりに蜘蛛の振袖を片付け、彼はラックにかけてあったドレスを手にした。ビニールをはがして月菜に見せつける。
「こっちが人工の蜘蛛の糸のドレスだ」
「きれい……!」
月菜は思わず声を上げた。白銀につややかにきらめいている。飾り気がないから、本来の布地の美しさが際立っている。
スマホが着信を知らせ、慶太はドレスを机に置いてスマホを取り出す。
「余計な事すんなよ」
言いおいて、彼はスマホに出る。
「はい、岸山です。あー、お世話になっております。はい……」
慶太がしゃべりながら部屋を出ていき、月菜だけが部屋に残った。
このドレス、絶対に私に似合う。
月菜はきょろっと周りを見る。当然だが、自分しかいない。
いらっとした様子に、月菜はむっとする。
「俺は忙しいんだ、このあとサンプルを持ってエルネスに行くんだから」
慶太は一角にある段ボールを示す。
「ほんとに? 私、エルネス大好きなの!」
糸を作る会社なんてと思っていたが、ブランドと取引があるなら話が変わってくる。だから彩羅は正社員になりたがっていたのか、と納得もする。
「ほらよ」
慶太が平たい長方形の箱を取り出し、蓋を開ける。中の紙を開くと、黄色の布地が見えた。
「地味。黄金の生地って嘘? 蜘蛛が作った糸なんだよね?」
そう思うと急に気持ちが悪くなってくる。
「文句ばっかだな」
もういいだろ、と言わんばかりに蜘蛛の振袖を片付け、彼はラックにかけてあったドレスを手にした。ビニールをはがして月菜に見せつける。
「こっちが人工の蜘蛛の糸のドレスだ」
「きれい……!」
月菜は思わず声を上げた。白銀につややかにきらめいている。飾り気がないから、本来の布地の美しさが際立っている。
スマホが着信を知らせ、慶太はドレスを机に置いてスマホを取り出す。
「余計な事すんなよ」
言いおいて、彼はスマホに出る。
「はい、岸山です。あー、お世話になっております。はい……」
慶太がしゃべりながら部屋を出ていき、月菜だけが部屋に残った。
このドレス、絶対に私に似合う。
月菜はきょろっと周りを見る。当然だが、自分しかいない。