こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「まさかネットにアップしてないだろうな?」
 月菜はどきっとした。が、平静を装う。
「するわけないじゃん」
「ならいいんだ」
 ほっとする慶太に、大げさな、と月菜は内心でせせら笑う。
 だけど念のためにリアルビーのほかに上げるのはやめておこう。あとでなにを言われるかわからない。
 ああ、むしゃくしゃする。あの女の悔しがる姿でも見て気晴らしがしたい。
 月菜は帰りにカフェに寄ることに決めた。もしかしたら専務にも会えるかもしれない。

***

 夕方になり、彩羅はため息をこぼした。
 女性客の会話が頭から離れず、もやもやしている。
 もしこんなときに万葉に会ったらどんな顔をしたらいいのだろう。
「これ彩羅っちのだよね?」
 マリリンから渡されたのは、万葉がくれたポーチだ。スマホケースとして使っている。
「ありがとう」
 礼を言って受け取る。お手洗いに行くときに出しておいて、忘れていたようだ。
 自動ドアが開いた。
「いらっしゃ……」
 言葉が途切れ、彩羅は呆然とした。
 月菜はオーダーストップの札を見てもずかずかと店内に入ってくる。
「何しに来たの」
 彩羅は精一杯の怖い顔をして月菜をにらむが、月菜は鼻で笑う。
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