こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「専務、今日は来てないんだ」
「彼は忙しいので」
「もう会いに来てもらえてないんだ」
 小ばかにした月菜の言葉に、ぐっと言葉につまる。
 メッセージは昨日もやりとりしたが、言えるわけもない。余計な攻撃材料になりかねない。
「店長に出禁って言われたよね。もう来ないで」
「彩羅のくせに生意気」
 月菜は彩羅の手からポーチを奪い取る。
「なにするの!」
「手編みだよね。私がもらってあげる」
 月菜はポーチを開けて中に入っていたスマホを投げつける。
「きゃあ!」
 彩羅はとっさに身をすくめ、スマホが壁に当たり、がつん、と音がした。
 その間に月菜はさっさと店を出ていく。
「どうした!?」
「大丈夫!?」
 拓斗とマリリンが来て、彩羅は振り返る。
「大丈夫です」
「……絶対違う。彩羅っち、無理してる」
 マリリンの顔がいつになく険しい。
 拓斗は落ちていたスマホを拾い、割れていないのを確認して彩羅に手渡す。
「またあの女が来たのかな?」
「はい……」
 彩羅はかいつまんで説明し、それを聞いたマリリンと拓斗は目を吊り上げた。
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