こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
 帰ったら、万葉からメッセージが来ていた。
『プレゼントしたポーチ、まだ持ってるか?』
 どきっとした。
『申し訳ありません。実は』
 途中まで打って、手が止まった。
 月菜に盗られたと正直に言う?
 それとも、なくした、と?
 せっかくプレゼントしてくれたものを?
 今まで正直に話して失敗してきたのに?
 せっかくのプレゼントを奪われたなんてあきれられるだろうし、成長のない自分が嫌になる。
 書いた文章を削除して、打ち直す。
『大事にとってあります』
 だが、やはりまた削除した。
 嘘も方便、傷つけないためにつく嘘だってある。
 だけど、これについては嘘をつきたくない。とはいえ、どう説明していいのかわからない。
 彼からのポーチを守れなかったのは、まるで彼の気持ちを守れずに盗られたかのようだ。
 返事を打てないままベッドに入ったが、なかなか寝付けずになんども寝返りを繰り返した。

***

 意気揚々と出勤した月菜は、職場の人があわただしく動くのを見て首をかしげた。
「なにかあったの?」
 月菜は同僚の女性に尋ねる。
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