こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~



 翌日はかわいくラッピングした紙袋を持ち、都内にある会社に出勤した。中に入っているのは月菜からリクエストをもらったマフラーだ。誕生日でもなんでもないが、プレゼントするつもりだ。
 ロビーにいるとき、ピコン、とスマホが鳴ってバッグから取り出す。

「月菜からだ」
 メッセージを確認しながら歩いていると。

 どん!
 誰かとぶつかって、彩羅は倒れた。

「いたた……すみません」
 身を起こしつつ目に入ったのは、ピカピカの黒い革靴。そのすらりと伸びた足をたどっていくと、紺のきれいなスーツがあり、ダークトーンのネクタイを合わせていて品がいい。その上にのっかっているのは整った顔。眉間にはしわが刻まれ、鋭い瞳が彩羅を見下ろしている。

 すごい怒ってる!
 彩羅は慌てて立ち上がり、もう一度頭を下げた。

「不注意で、すみませんでした」
「気をつけろ」
 言い捨てて、彼はすたすたと歩いて行く。

 彩羅はむっとしてその後ろ姿を見送った。
 確かに歩きスマホをしていた自分が悪い。

「だけど、そんなに怒らなくても。つい、ってことあるじゃん」
 ぼそっとつぶやいたとき。
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