こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「さーら!」
後ろからぽんと肩を叩かれ、彩羅は振り返った。
「月菜、おはよ」
「おはよー。どしたの、御曹司と話してたみたいだけど」
「あの人が?」
「御曹司で三十一歳にしてうちの専務。糸条万葉だよ。いつもむすっとしてて感じ悪い。せっかくイケメンなのに」
確かに、とエレベーターの前に立つ彼の後ろ姿を見る。黒髪はさらさらしていて、製糸メーカーである当社一押しの商品、シルキーシリーズのように艶やかだ。
たたずまいが上品で、エレベーターを待っているだけなのに一幅の絵のようだ。
「私たち一般社員には関係ない、雲の上の人だね」
彩羅が言うと、月菜はにやりと笑った。
「私ならぶつかったのをチャンスに変えてるわ」
「月菜はかわいいから」
はは、と笑ってから、彩羅は手に持っていた紙袋を彼女に見せる。
「リクエストのマフラー、持ってきたよ!」
「さんきゅ! 彩羅ってすごいよね。今度お礼するね!」
「いいよ、いつもお世話になってるお礼に受け取って」
「彩羅、優しい! ありがと!」
抱き付かれて、まんざらでもない。
仲のいい友達が喜んでくれるなら、それが一番嬉しいから。
悦に入っていると、ピコン、と何かの通知音が鳴った。
「あ、リアルビーだ」
月菜はいそいそとスマホを取り出して、プレゼントの紙袋を片手に自撮りをした。
後ろからぽんと肩を叩かれ、彩羅は振り返った。
「月菜、おはよ」
「おはよー。どしたの、御曹司と話してたみたいだけど」
「あの人が?」
「御曹司で三十一歳にしてうちの専務。糸条万葉だよ。いつもむすっとしてて感じ悪い。せっかくイケメンなのに」
確かに、とエレベーターの前に立つ彼の後ろ姿を見る。黒髪はさらさらしていて、製糸メーカーである当社一押しの商品、シルキーシリーズのように艶やかだ。
たたずまいが上品で、エレベーターを待っているだけなのに一幅の絵のようだ。
「私たち一般社員には関係ない、雲の上の人だね」
彩羅が言うと、月菜はにやりと笑った。
「私ならぶつかったのをチャンスに変えてるわ」
「月菜はかわいいから」
はは、と笑ってから、彩羅は手に持っていた紙袋を彼女に見せる。
「リクエストのマフラー、持ってきたよ!」
「さんきゅ! 彩羅ってすごいよね。今度お礼するね!」
「いいよ、いつもお世話になってるお礼に受け取って」
「彩羅、優しい! ありがと!」
抱き付かれて、まんざらでもない。
仲のいい友達が喜んでくれるなら、それが一番嬉しいから。
悦に入っていると、ピコン、と何かの通知音が鳴った。
「あ、リアルビーだ」
月菜はいそいそとスマホを取り出して、プレゼントの紙袋を片手に自撮りをした。