こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「萌木さん。初出勤おめでとう」
ブーケを差し出され、彩羅は戸惑いながら受け取る。中には毛糸で編まれた小さな花が束ねられていた。
「かわいい……。ありがとうございます。作ってくださったんですか?」
「ささやかですが」
「万葉、なにやってんだよ」
あきれた声の主は拓斗。
カウンターから現れた彼は彩羅の隣に並んだ。
拓斗も背が高いから、二方向に大きな壁ができたかのようだ。
「お祝いに来ただけだ」
「忙しいお前がわざわざねえ」
「うるせっ」
万葉と拓斗は大学時代の友人だと聞いていたが、軽口をたたき合う様子に彩羅は微笑ましくなった。
「いいな~。テンアゲじゃん!」
「テンアゲはテンションが上がるという意味だったか。君は相変わらず元気だね」
「うえーい!」
マリリンは両手を突き出してさかさまにして万葉にピースする。いわゆるギャルピだ。
和やかな雰囲気に彩羅の頬も自然とゆるんだが、ふと手芸ショップの毛糸が見えて、冷や水を浴びせられた。
前の職場でいじめの犯人だと思われたことは決して知られたくない。
前日まで普通に接していた人たちの冷たくなった目が忘れられない。拓斗やマリリン、特に青空羊……万葉に疑われたら、もう本当に立ち直れそうにない。
絶対に隠し通そう。
彩羅は心の中で固く誓った。
ブーケを差し出され、彩羅は戸惑いながら受け取る。中には毛糸で編まれた小さな花が束ねられていた。
「かわいい……。ありがとうございます。作ってくださったんですか?」
「ささやかですが」
「万葉、なにやってんだよ」
あきれた声の主は拓斗。
カウンターから現れた彼は彩羅の隣に並んだ。
拓斗も背が高いから、二方向に大きな壁ができたかのようだ。
「お祝いに来ただけだ」
「忙しいお前がわざわざねえ」
「うるせっ」
万葉と拓斗は大学時代の友人だと聞いていたが、軽口をたたき合う様子に彩羅は微笑ましくなった。
「いいな~。テンアゲじゃん!」
「テンアゲはテンションが上がるという意味だったか。君は相変わらず元気だね」
「うえーい!」
マリリンは両手を突き出してさかさまにして万葉にピースする。いわゆるギャルピだ。
和やかな雰囲気に彩羅の頬も自然とゆるんだが、ふと手芸ショップの毛糸が見えて、冷や水を浴びせられた。
前の職場でいじめの犯人だと思われたことは決して知られたくない。
前日まで普通に接していた人たちの冷たくなった目が忘れられない。拓斗やマリリン、特に青空羊……万葉に疑われたら、もう本当に立ち直れそうにない。
絶対に隠し通そう。
彩羅は心の中で固く誓った。