こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「すごいですね」
「コーヒーの産地には貧困や人権の問題が多い国が多い。うちが力になれるなら、いくらでもやるさ」
ふっと笑う万葉の顔には不敵さが漂っている。
「それもこれも、コーヒー染めの発想のおかげだ。アイディアが豊富な君を逃したとは、うちの会社は痛いことをした」
「もう遅いですよー」
彩羅はくすくす笑って返す。
以前の自分ならこんな返しはできなかったと思う。拓斗とマリリンに鍛えられた結果だ。
「それは残念だ。しかし子会社では採用できたからな。実質、わが社の人材だ」
暴論すぎる、と彩羅は苦笑した。
小田原のカジュアルなレストランで昼食を取り、箱根の美術館に着く。駐車場はガラガラだ。
不安になりながらも車を降り、万葉と一緒に美術館に行くと、本日臨時休館の札があってがっかりした。
「今日はお休みなんですね」
「企画展の準備で休みなんだが、入れるよ。協賛が糸条だからね」
驚く彩羅に、万葉がおだやかな笑みを浮かべて手を差し伸べる。
彩羅がどきどきしながらその手を取ると、ぎゅっと握られた。
展示物は糸にまつわるあれこれで、糸車を見たときには「教科書で見たことある!」とテンションが上がってしまった。綿花から種を取り出す器具や、糸紡ぎのツム。なかなか実物を見ることがない道具たち。
「コーヒーの産地には貧困や人権の問題が多い国が多い。うちが力になれるなら、いくらでもやるさ」
ふっと笑う万葉の顔には不敵さが漂っている。
「それもこれも、コーヒー染めの発想のおかげだ。アイディアが豊富な君を逃したとは、うちの会社は痛いことをした」
「もう遅いですよー」
彩羅はくすくす笑って返す。
以前の自分ならこんな返しはできなかったと思う。拓斗とマリリンに鍛えられた結果だ。
「それは残念だ。しかし子会社では採用できたからな。実質、わが社の人材だ」
暴論すぎる、と彩羅は苦笑した。
小田原のカジュアルなレストランで昼食を取り、箱根の美術館に着く。駐車場はガラガラだ。
不安になりながらも車を降り、万葉と一緒に美術館に行くと、本日臨時休館の札があってがっかりした。
「今日はお休みなんですね」
「企画展の準備で休みなんだが、入れるよ。協賛が糸条だからね」
驚く彩羅に、万葉がおだやかな笑みを浮かべて手を差し伸べる。
彩羅がどきどきしながらその手を取ると、ぎゅっと握られた。
展示物は糸にまつわるあれこれで、糸車を見たときには「教科書で見たことある!」とテンションが上がってしまった。綿花から種を取り出す器具や、糸紡ぎのツム。なかなか実物を見ることがない道具たち。