こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
 彼も同じ気持ちだったのだろうか。
「そうだ、名前で呼ぶことにしませんか」
 提案され、彩羅は頷く。

「いいですよ」
「よかった、彩羅さん」
 そっち!? と驚く彩羅にかまわず、彼は続ける。

「敬語もやめませんか」
 彩羅は戸惑いながらも頷く。

「よかった。敬語だと壁を感じて」
「でも多分私のほうが年下で……」

「年なんか関係ない。ネットでは年齢なんて関係なく仲良くしてもらっていたからな」
 その通りだ。なんとなく彼のほうが年上だろうと思っていたが。

「盛り上がってるとこ悪いけど。そろそろ閉店だからさ」
 拓斗がカウンターの中から声をかけてきた。
「悪いな」
「いいよ。貸しな」
 にやっと拓斗が笑う。

 今日の代金は貸し、ということだろうか。
 疑問に思うが、代金を払って帰って行ったから、違うようだ。
 閉店作業を終えて帰宅したら、万葉からメッセージが来ていた。

『今日は暗い話をしてしまって申し訳ない』
 彩羅はすぐさま返信した。
『大切な思い出を話してくれて嬉しいです』
 思わず敬語になっちゃった、と思っていると、すぐに返事が来た。
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