こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
『ありがとう。やはり彩羅さんは優しい』
また名前呼び!
深い意味はない。深い意味はない。
自分に言い聞かせ、彼をどう呼ぶべきか迷う。自分も彼を下の名前で呼ぶべきだろうか。だけど、そんな勇気はとうてい、ない。
ありがとう、とごまかすようにスタンプを押すと、おやすみ、とスタンプ返ってきた。
御曹司で専務なんて立場の人でもスタンプを使うんだ、と妙なところで感心してしまった。
初めは遠い存在に思えたのに、今ではすごく身近に感じる。
「友達って思っていいのかな。いいよね」
彩羅はどきどきとスマホを抱きしめた。
翌日もいつも通り十時半に出勤した。
日ごとに気温は下がってきており、乾燥して空は晴れ渡っている。
あたたかな店内では編み物をしたりお茶をしたりとまばらに客がいる。
「おはようございます」
挨拶をすると、にこっと拓斗が笑みを返す。
「おはよう。今日のシフトは椛川さんが休みだからふたりでがんばろうね」
「はい」
忙しいお昼を乗り切ると、珍しく客席が空になった。
その隙に拓斗が巻かない飯を作ってくれたので、一緒に客席で向かい合っていただく。
「お疲れ。仕事は慣れた?」
「はい。久しぶりなので足腰にきてますけど」
「立ち仕事だもんね」
ふふっと彼が笑うと、それだけで場が華やぐ。
また名前呼び!
深い意味はない。深い意味はない。
自分に言い聞かせ、彼をどう呼ぶべきか迷う。自分も彼を下の名前で呼ぶべきだろうか。だけど、そんな勇気はとうてい、ない。
ありがとう、とごまかすようにスタンプを押すと、おやすみ、とスタンプ返ってきた。
御曹司で専務なんて立場の人でもスタンプを使うんだ、と妙なところで感心してしまった。
初めは遠い存在に思えたのに、今ではすごく身近に感じる。
「友達って思っていいのかな。いいよね」
彩羅はどきどきとスマホを抱きしめた。
翌日もいつも通り十時半に出勤した。
日ごとに気温は下がってきており、乾燥して空は晴れ渡っている。
あたたかな店内では編み物をしたりお茶をしたりとまばらに客がいる。
「おはようございます」
挨拶をすると、にこっと拓斗が笑みを返す。
「おはよう。今日のシフトは椛川さんが休みだからふたりでがんばろうね」
「はい」
忙しいお昼を乗り切ると、珍しく客席が空になった。
その隙に拓斗が巻かない飯を作ってくれたので、一緒に客席で向かい合っていただく。
「お疲れ。仕事は慣れた?」
「はい。久しぶりなので足腰にきてますけど」
「立ち仕事だもんね」
ふふっと彼が笑うと、それだけで場が華やぐ。