こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
 彼は万葉が専務だと知っているのだろうか。友人だから知らないわけがないだろう。
 食べ終えるころにはお客さんが来たが、拓斗が「休憩してて」というから遠慮なく休憩させてもらった。

 無事に閉店してロッカールームに行くと、手芸ショップの店員がふたり、雑談していた。

 お疲れ様です、と声をかけてロッカーを開ける。
 まだ雑談に交じれるほど仲良くはない。年齢が上の主婦が多いので緊張してしまう。拓斗とマリリンの社交性がうらやましい。

「今度、派遣から社員になった新人が研修で来るって」
「どんな人だろ」
「かわいい女の人らしいよ」

 聞こえた会話に、彩羅の顔がひきつった。

 まさか……違うよね。
 意地悪な笑みを刻んだ月菜の顔が浮かび、なかなか消えてくれなかった。
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