こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「中学生みたいなこと言ってないで、仕事しろっ」
「はいはい」
拓斗はくすくす笑いながらカウンターの奥に引っ込み、マリリンは時間だからと上がっていった。
彩羅はすすっと万葉に寄っていき、声をかける。
「もしよかったら、ここで編み物していってください。職場だと休憩時間に編めませんよね」
言いながら、ちょっと見てみたくなる。
高層ビルの眺めのいい展望フロアで編み物をする御曹司。なかなか面白い絵面だと思う。
「ありがとう。だけど本当に休憩に来ているだけなんだ。悔しいが、あいつのコーヒーはうまい」
レギュラーメニューのコーヒーはコーヒーマシンを使うが、スペシャリティコーヒーは拓斗が淹れている。丁寧にドリップしたそれは好評で、高額であるにもかかわらず注文が多い。万葉が『コーヒー』と言ったら拓斗のコーヒーと決まっている。
「すみません。休憩時間にお邪魔しちゃいましたね。声かけないようにしますね」
「あ、いや……うん」
万葉が微妙な顔をしたが、彩羅はすすっとカウンターの中に戻る。
と、中では拓斗がおなかを押さえて苦しそうにしゃがみこんでいた。
「ううっ……腹痛い」
「大丈夫ですか!?」
彩羅は慌てて駆けつける。
が、くくく、と声をもらして肩を揺らす彼に、拍子抜けした。笑っているだけだ。なにか面白いことはあっただろうか。
「萌木さん、ほんとかわいいねえ」
抑えきれない笑いをこぼしながら拓斗が言う。
かわいいとは言われてもほめられている気がしない。
「はいはい」
拓斗はくすくす笑いながらカウンターの奥に引っ込み、マリリンは時間だからと上がっていった。
彩羅はすすっと万葉に寄っていき、声をかける。
「もしよかったら、ここで編み物していってください。職場だと休憩時間に編めませんよね」
言いながら、ちょっと見てみたくなる。
高層ビルの眺めのいい展望フロアで編み物をする御曹司。なかなか面白い絵面だと思う。
「ありがとう。だけど本当に休憩に来ているだけなんだ。悔しいが、あいつのコーヒーはうまい」
レギュラーメニューのコーヒーはコーヒーマシンを使うが、スペシャリティコーヒーは拓斗が淹れている。丁寧にドリップしたそれは好評で、高額であるにもかかわらず注文が多い。万葉が『コーヒー』と言ったら拓斗のコーヒーと決まっている。
「すみません。休憩時間にお邪魔しちゃいましたね。声かけないようにしますね」
「あ、いや……うん」
万葉が微妙な顔をしたが、彩羅はすすっとカウンターの中に戻る。
と、中では拓斗がおなかを押さえて苦しそうにしゃがみこんでいた。
「ううっ……腹痛い」
「大丈夫ですか!?」
彩羅は慌てて駆けつける。
が、くくく、と声をもらして肩を揺らす彼に、拍子抜けした。笑っているだけだ。なにか面白いことはあっただろうか。
「萌木さん、ほんとかわいいねえ」
抑えきれない笑いをこぼしながら拓斗が言う。
かわいいとは言われてもほめられている気がしない。