こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「上司が注意してくれたんですけど彼女は逆切れして辞めてしまって、恨まれてると思うんです。だから怖くって」
「それはつらいね」
「そうなんです!」
月菜は目をきらきらさせて拓斗を見た。
彩羅の体から力が抜けた。
もうダメだ。拓斗も月菜を信じてしまった。
月菜はどうしてこんなに奪うのだろう。恋人を奪い、職場を奪い、正社員の座を手に入れた。
もう充分だろうに、どうして。
ここも辞めよう。入ったばかりで迷惑かもしれない。だけど……。
「萌木さんには手芸店に行かないように言っておくよ」
思った反応と違ったらしく、月菜は目をしばたたく。
「でも、それだけじゃ……」
「大丈夫だよ。君からも彼女に接触しないでね。絶対に」
絶対に、を強調する拓斗は笑顔だが、目が笑っていない。
月菜は苦いものを口にしたかのような顔になった。
「話は終わったよね。俺、仕事中だから。ってか君も仕事中だよね。これ以上は片岡店長を通して」
口調こそ柔らかいが、断固とした拒絶。
「……はい」
月菜は不満そうに手芸ショップに帰る。
見送った拓斗がくるっと振り返り、彩羅の心臓がどきっとした。
「聞いてた?」
尋ねられ、彩羅は無言でうなずいた。
「それはつらいね」
「そうなんです!」
月菜は目をきらきらさせて拓斗を見た。
彩羅の体から力が抜けた。
もうダメだ。拓斗も月菜を信じてしまった。
月菜はどうしてこんなに奪うのだろう。恋人を奪い、職場を奪い、正社員の座を手に入れた。
もう充分だろうに、どうして。
ここも辞めよう。入ったばかりで迷惑かもしれない。だけど……。
「萌木さんには手芸店に行かないように言っておくよ」
思った反応と違ったらしく、月菜は目をしばたたく。
「でも、それだけじゃ……」
「大丈夫だよ。君からも彼女に接触しないでね。絶対に」
絶対に、を強調する拓斗は笑顔だが、目が笑っていない。
月菜は苦いものを口にしたかのような顔になった。
「話は終わったよね。俺、仕事中だから。ってか君も仕事中だよね。これ以上は片岡店長を通して」
口調こそ柔らかいが、断固とした拒絶。
「……はい」
月菜は不満そうに手芸ショップに帰る。
見送った拓斗がくるっと振り返り、彩羅の心臓がどきっとした。
「聞いてた?」
尋ねられ、彩羅は無言でうなずいた。