こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「じゃあわかるね。西垣さんが萌木さんに接触しない言質をとったから、安心して」
 月菜が自分に接触しない言質を? 逆じゃなくて?

 彩羅が戸惑っていると、拓斗はくすっと笑う。
「彼女が来てからずっと不安そうだったから。違った?」

 彩羅はぶんぶんと首を振る。
 まったく違わない。
 なんでこんなにわかってくれるんだろう。なにも言ってないのに。
 申し訳なさと同時に嬉しさがわいて、胸がぎゅっとする。

「あれ、実際は逆でしょ。だから萌木さんは怖がってる」
「前の会社では信じてもらえなかったんです。彼女の言い分だけが通って……」
「俺は萌木さんを信じるよ」

 彩羅は胸に手を当て、肩を震わせた。
 前の会社では信じてもらえなかった。
 だけど彼は、月菜ではなく、自分を信じてくれた!

「戻ってきたのはなにか用事があった?」
「これ、持ってきちゃって……話を聞いちゃってすみません」
 ハンディを差し出すと、拓斗はくすっと笑って受け取る。

「謝らなくていいのに。律儀で真面目だな。ありがとう」
「私こそ……ありがとうございます」
 彩羅は深く頭を下げる。
 信じてもらえた喜びをかみしめながら。
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