こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「彩羅さんは俺が編むのをもともと知っていたからな。それに」
 と万葉の目が自分に向くから、彩羅はどきっとする。
「男が編み物をしても変じゃないと言ってくれたから」

「あーしだっていっくらでも言ってあげるよ」
「ありがとう」
 万葉が苦笑する。

「すごいんだよ。編んでる姿はまるで魔法みたいなんだから」
「見たい見たい」

「せっかくだから編んでくか」
 座り直した万葉は鞄から編みかけのぬいぐるみを取り出し、かぎ針でさささっと編み始める。
 一本の糸が編みあがる様はなんど見ても不思議だ。彩羅はつい見入ってしまう。

「やば、手の動き、えぐっ!」
「ねー、すごいでしょ?」
 ついつい、自分がほめられたかのようにどや顔をしてしまう。

「慣れればこんなもんだよ」
 万葉は平然と返すが、まんざらでもなさそうだ。
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