こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「どんな?」
「手芸ショップで買い物した人はレシートを見せると一割引き。逆にカフェを利用した人は手芸ショップで割引ってどうでしょう」

「一割はひきすぎだけど……いいね、それ」
「編み物イベントも楽しいと思います」
「なにやるの?」
 横で聞いていたマリリンが首をつっこんでくる。

「たとえば編み物キングとか、講師を呼んでの編み物講座を開くんです!」
「編み物講座か。いいね」
 うんうん、と拓斗が頷く。
 どさくさに紛れて憧れのキングを持ち出したが、拓斗にはピンと来ていないようだ。

「手芸をしてる人はネットで売ることも多いですから、ボックスを置いて販売スペースを提供するのはどうでしょう?」
「聞いたことあるな。カラーボックスみたいな、小さなスペースで個人がお店を出すんだよね」

「あーし、そういうのでピアスとか買ったことある。普通のお店で買えないようなのが多くて良かった!」
「検討してみよう。……ますます君がほしくなったな。このあと、食事に行ってもっと詳しく話を聞きたいな」
 拓斗の目が色気たっぷりに細まって、彩羅は顔をひきつらせた。

「おほめいただいて嬉しいです。でも、このあと用事がありますので……」
 彩羅が目を泳がせると、拓斗はくすっと笑う。
「かわいいなあ、これで照れるんだ?」
< 91 / 212 >

この作品をシェア

pagetop