【1章だけ大賞長編用】冴えなかった元彼が、王子様に変身して帰ってきた。
帰り間際にたくさんの社員の注目の的になってしまった悠里は、顔を赤く染めながらどうにか説明を施した。
すると真紀子は「なるほど!だから会議室の準備のとき、奥畑ちゃん顔真っ赤になってたのね!」と納得したように両手をパンッと叩いた。
そして、悠里をグッと押し出すようにして理人の前に突き出す。
「に、仁科さん?」
「ファイトよ、奥畑ちゃん!」
「えぇ!?」
「王子の心、掴んでくるのよ!」
「そっ、そんな……!」
真紀子のお節介で近くへやってきた理人と強制的に向かい合わせになった悠里は、どうすればいいかとぎこちない引き攣り笑いを見せた。
その様子を見て、理人は何かを察したように『……あ!』と声を漏らした。