【1章だけ大賞長編用】冴えなかった元彼が、王子様に変身して帰ってきた。
***
「んっ……」
窓から差し込む眩しい日差しに、寝返りを打ちながら目を覚ました。
まだ見慣れない天井と、ふかふかのベッド。
ふんわりと掛けられた羽毛布団と、ベッドの脇には加湿器が付けられている。
「あれ?私、ソファで洗濯物を畳んでたはず……」
悠里が思い出した記憶とは違って、今いる部屋は理人が手配してくれたゲストルームならぬ悠里の部屋だった。
敷布団でいいと言う悠里に、理人は「睡眠は大事だから」と言ってネットで悠里のためのベッドを購入し、組み立てまでしてくれたベッドに横たわっていることに合点がいかない。
「なんで私、自分の部屋にいるの……って、ちょっと待って今何時!?」
ベッド脇にあるサイドテーブルに置かれている時計を見て、悠里はサッと血の気が引いた。
「やばい……!大寝坊だ!」
時刻は十時を過ぎている。
今日は日曜日だったため、アラームをセットするのを忘れてしまっていた。
思いきり羽毛布団を跳ね除けて飛び起きる。
昨日、理人が帰ってきたことにすら気づかなかったどころか、朝ごはんの準備もせずにこんな時間まで熟睡してしまっていたなんて。