【1話からの長編大賞用】冴えなかった元彼が、王子様に変身して帰ってきた。
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無事に会議が終了したという報告を受けてからというもの、総務部はまたいつもの落ち着きを取り戻していた。
定時のチャイムが鳴り響くと、真紀子たち先輩組は帰宅の準備をはじめる。
そんな中、悠里は自分のデスクでひたすら仕事に追われていた。
「あれ、奥畑ちゃんまだ何か残ってる?」
「あ、いえ……少し頼まれごとをされているのでそれだけ終わらせて帰ろうかと」
「頼まれごと?」
「奥畑ちゃん、あの一件からすっかりシゴデキ認定されちゃってるもんねぇ」
「ちょっと、誰よウチらの奥畑ちゃんをこき使ってるのは!」
「もうすぐ終わるので大丈夫です。今日もありがとうございました、お疲れ様でした」
真紀子たち先輩組はみんなそれぞれ家庭を持っていて、子供の送り迎えや家事育児に忙しくしている。
悠里はそんな真紀子たちを気遣って先に帰らせて、再びデスクへと戻っていく。
「……これ、終わるかな」
残業の原因となっているメールを開いて、小さなため息を落とした。
それは、理人の秘書である恩田沙耶から届いたいくつものメールの数々。
そのどれもが経費の集計や理人たちが今携わっているプロジェクトの費用計算など、細かく面倒な仕事を依頼する内容だった。