【1話からの長編大賞用】冴えなかった元彼が、王子様に変身して帰ってきた。
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それから二人の生活は、穏やかに、楽しく過ぎていった。
同棲のペースにもすっかり慣れ始めた十二月の半ば。
仕事から帰宅した理人がポストを開けると、一通のハガキが届いていた。それは、高校の同窓会の案内状だった。
理人と悠里たちの学年は、卒業後も五年に一度のペースで大きな同窓会を開催することになっている。
「あ、おかえり理人くん」
「ただいま、悠里ちゃん。……そうだ、同窓会のハガキが来てたよ」
リビングで洗濯物を畳んでいた悠里はそれを受け取ると、開催日時を見て予定を確認する。
「(そういえば、昨日千花か芽衣たちから一緒に行こうよってお誘いのメッセージ来てたなぁ)」
悠里が参加するかどうか頭を悩ませているとき、理人は鞄の中から仕事用のスマホでスケジュールを確認していく。そしてガクッと項垂れた。
「ねぇ、理人くん。もしよかったら一緒に行かない?」
「ごめん、悠里ちゃん……。俺、その日の前日からどうしても外せない泊まりがけの出張が大阪で入ってて……参加できそうにないかも」
「そっか。外せない仕事なら仕方ないよね。じゃあ私、久しぶりにみんなの顔を見てくるね!」
悠里が笑顔でそう言うと、理人は少しだけ寂しそうに「そっか」と漏らした。
そして視線を彷徨わせたあと、か細い声で尋ねる。
「その同窓会って、もちろん男もいる……よね?」
「え?うん、学年全員の同窓会だから男子も普通に来ると思うけど……。それがどうかした?」
理人はキュッと唇を結んでしばらく間を空けたあと、「あ、あのさ!」と何かを閃いたかのように声を跳ね上げた。