【1話からの長編大賞用】冴えなかった元彼が、王子様に変身して帰ってきた。
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翌朝。
カーテンの隙間から差し込む柔らかい朝日と、微かに漂ってくるコーヒーの香りで、理人はゆっくりと目を覚ました。
「俺、あのあと一体……」
ゆっくりと体を起き上がらせると、昨夜までの鉛のような怠さは嘘のように消え去っていた。
けれど、視界がクリアになっていくのと同時に、昨晩の記憶が少しずつ読みがっていく。
悠里が同窓会で他の男と声をかけられて連絡先を交換しそうになっていたところへ乗り込んでいったしまったこと。
そのあと悠里のことが好きだと宣言したこと。
そして、強引にベッドへ押し倒して──……。
「やばいこと、しちゃったかも俺……」
完全に記憶をつなげた理人は、勢いよく両手で顔を覆って、そのままベッドの上でのたうち回った。
「(どうしよう。完全に理性のタガが外れてた……。悠里ちゃんにあんな強引なことして、最後は寝落ちだなんて絶対引かれた。最悪もう嫌われてる……っ)」
熱のせいにするにはあまりにもみっともない自分の姿に、どうしていいのかわからなくなった。
それでもいつまでも逃げているわけにはいかない。理人は重い足取りでベッドから降りると、恐る恐る寝室のドアを開けてリビングへと足を踏み入れた。
「あ、理人くんおはよう。……体調はどう?気分悪くない?」
悠里はキッチンに立って朝ごはんの支度をしていた。
彼女は怒っているわけでも、呆れているわけでもなく、いつも以上に柔らかくて甘い笑顔でひょっこりと理人のほうへ顔を覗かせる。
「お、おはよう、悠里ちゃん。えっと、体はもう平気……。それより昨日のことだけど」
理人は肩をすぼめながら、消え入りそうな声で俯いた。
申し訳なさと、情けなさがその声に入り混じる。何より悠里に嫌われていないかと心配でたまらなかった。