聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 アンナは聖女修道院の自室で一ヶ月ほど身体を休めた。
 現在のアンナの体調は静かに日常生活が送れるくらいにまで回復した。
 アンナは体調が回復すると、大聖女セレスティナに応接室へ呼び出された。
 アンナはノックをして応接室へ入ると、セレスティナとレユスットの姿があった。
 アンナたち三人は木製の簡素なテーブルセットの椅子にアンナはセレスティナと向かい合わせに座り、レユスットはアンナの隣に座る。
 セレスティナはアンナにここに呼び出した理由と事実を告げる。
 セレスティナから聞かされた言葉はアンナの頭の中を一瞬で頭が真っ白になるほど衝撃的な言葉だった。
 アンナはセレスティナから言われた一言を確認するように繰り返す。
 「わたしに聖女の力がない?」
 セレスティナは静かに頷いて続ける。
 「聖女の力を使い果たしてしまったようです。誠に残念ですが、聖女の力を失った貴女は元の修道女に戻っていただくしかありません」
 「そんな……」
 アンナは首から提げている聖女のロザリオを一度握って開くとそれを見つめる。
 確かに倒れてから大聖女像に祈っても、聖女の力を得ている実感がなかった。
 聖女は祈ると手の甲に聖女の紋章が白く浮き出るが、倒れてからは浮き出ていない。
 それは体調が元に戻っていないからだとアンナは思っていた。
 アンナは聖女としての生き方しか知らない。
 アンナは絶望に似た虚無感に襲われる。
< 10 / 39 >

この作品をシェア

pagetop