聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 「聖女アンナ。ずっと体調が優れなかったでしょう。その影響もあるかもしれません」
 セレスティナの言葉はアンナに届いていない。
 アンナはレユスットと共に魔物討伐へ行くようになってから体調が悪くなっていった。
 アンナはただの疲労と思い、気にとめずに無理をしていた。
 ショックを隠しきれないアンナにレユスットが優しい口調でアンナに提案する。
 「アンナが大切だから大聖女様と相談をしたんだ。提案なんだけれど、教派を変えて国外の田舎で体調が良くなるようにゆっくり過ごしてはどうかな?」
 (教派を変えて、国外って……?)
 アンナは唐突に突きつけられた選択に困惑する。
 「アンナはこの国で有名だ。あまりキミを知らない所が良いと思って選んだ。大聖女セレスティナ様も賛成してくれたよ。辺境地だが、のどかで療養には最適だと思う。ゆっくり休んでおいで」
 アンナは大聖女伝説に出てくる英雄聖騎士と噂されているレユスットと共に行動している。
 伝説の英雄聖騎士は聖女の力で自身を高める能力を持っていた。
 レユスットはアンナと共に行動し、自身の力を高める事ができた。
 そのためアンナとレユスットは伝説の再来と言われ、国中に知れ渡っていた。
 困惑しているアンナにセレスティナが話しを続ける。
 「その身体では聖女が所属している厳格なストリクト教派での修道女の務めも難しいでしょう。融通が利く自由なリベルテ教派なら体調が回復しきっていないアンナでも修道女として過ごせると思います」
 「国外といっても同盟国で友好関係にある隣国だ。二度と会えないわけじゃない。体調が回復したら、また僕の所に戻っておいで」
 穏やかなセレスティナの声とレユスットの優しげな声がアンナの頭の中を通り過ぎていく。
 「……わかりました」
 修道女になってからずっと上長に従っていたアンナは下を向いたまま、それだけを呟いて応接室から出て行った。
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