聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
「よそ見をしていていいのか?」
レユスットは魔王の攻撃をかろうじてかわして、戦いに戻る。
レユスットの戦いを見ていたヘレナとハンナがマリーとウィラルドの元に駆けつける。
「聖騎士団長の彼、魔王のドラゴンを傷つけてしまったらしいの。それで怒って魔王がやってきたみたいなのよ」
ハンナがマリーとウィラルドに状況を説明する。
「聖騎士王太子殿下、レユスットさんを助けてあげて」
「…………」
ウィラルドはヘレナとハンナの言葉に答えず、睨むような鋭い視線で戦いを凝視している。
レユスットは本気を出せない上に魔王の強さに圧倒されて弄ばれている。
「弱い、弱いぞ。話しにならん」
追い詰められて後がなくなったレユスットは冷静さを欠いて魔術を使って魔王を攻撃する。
黒い球弾のようなエネルギー弾は魔王の左手に吸収される。
「愚かな人間。誰の力を借りていると思っている。力を与えた俺様に効くわけがないだろう」
魔王が静かにレユスットへ近づく。
「まだ俺様に刃向かうのか? それはお前の信条ではないだろう。あの時のように逃げれば良いだろう」
膝を付くレユスットは追い詰められ、どうにもしようがない表情をする。
「え? 今の、魔術よね? 聖騎士団長なのに、魔術を使うの?」
ヘレナが驚いて目を見開く。
魔術は聖女の力と相反する力となっている。
魔王の力が源となっている魔術は聖職者や聖女、聖騎士は教会より使用を禁止されている。
「証拠を見せてやったらどうだ?」
レユスットは立ち上がり、いつもはめている聖騎士の白手袋を外す。
レユスットの右手手の甲には魔術の紋章が黒く光って浮き出ている。
魔術を使う者はその力の源となる、魔界にいる魔王などと契約をして使用する。
「なんで……」
ヘレナは信じられないような表情で呟くと、広場の人々もヘレナと同じように口々に言葉を発する。
「くっ……」
レユスットは表情を歪めて、悔しそうな息を吐く。
レユスットは兄姉が多い有名伯爵家の末弟だ。
両親、兄たちは家柄と地位を使って家の事業を拡大し、姉たちも家柄を使って良い条件の下へ嫁いでいった。
レユスットは家族の価値観と家庭環境により、家柄や地位がないと何もできないと思い込んでいった。
レユスットは本人の才能と努力もあるが、自身の出世のために有能な聖騎士になった。
聖騎士となったレユスットは大聖女アンナを信仰するわけでもなく、人々の平和の為に魔物討伐を行うわけでもなく、自身の出世を強く望んだ。
そしてそれを魔王に利用されてしまった。
魔王は人の心の奥底にある欲望を見抜いて誘惑をしてくる。魔王の誘惑に打ち克つことなど不可能に近い。魔王の誘惑に負ければ、死後は魔界へと堕とされてしまう。
魔王はレユスットを見下ろす。
「欲望を抱く不完全な人間。堕とす事など容易い」
レユスットを見下してせせら笑う魔王を見て、マリーの中にいるアンナが魔王をきつく睨む。
(彼にそんな事をするなんて……!)
マリーの中にいるアンナは怒りを露わにして、過去の自分を思い出す。
レユスットは魔王の攻撃をかろうじてかわして、戦いに戻る。
レユスットの戦いを見ていたヘレナとハンナがマリーとウィラルドの元に駆けつける。
「聖騎士団長の彼、魔王のドラゴンを傷つけてしまったらしいの。それで怒って魔王がやってきたみたいなのよ」
ハンナがマリーとウィラルドに状況を説明する。
「聖騎士王太子殿下、レユスットさんを助けてあげて」
「…………」
ウィラルドはヘレナとハンナの言葉に答えず、睨むような鋭い視線で戦いを凝視している。
レユスットは本気を出せない上に魔王の強さに圧倒されて弄ばれている。
「弱い、弱いぞ。話しにならん」
追い詰められて後がなくなったレユスットは冷静さを欠いて魔術を使って魔王を攻撃する。
黒い球弾のようなエネルギー弾は魔王の左手に吸収される。
「愚かな人間。誰の力を借りていると思っている。力を与えた俺様に効くわけがないだろう」
魔王が静かにレユスットへ近づく。
「まだ俺様に刃向かうのか? それはお前の信条ではないだろう。あの時のように逃げれば良いだろう」
膝を付くレユスットは追い詰められ、どうにもしようがない表情をする。
「え? 今の、魔術よね? 聖騎士団長なのに、魔術を使うの?」
ヘレナが驚いて目を見開く。
魔術は聖女の力と相反する力となっている。
魔王の力が源となっている魔術は聖職者や聖女、聖騎士は教会より使用を禁止されている。
「証拠を見せてやったらどうだ?」
レユスットは立ち上がり、いつもはめている聖騎士の白手袋を外す。
レユスットの右手手の甲には魔術の紋章が黒く光って浮き出ている。
魔術を使う者はその力の源となる、魔界にいる魔王などと契約をして使用する。
「なんで……」
ヘレナは信じられないような表情で呟くと、広場の人々もヘレナと同じように口々に言葉を発する。
「くっ……」
レユスットは表情を歪めて、悔しそうな息を吐く。
レユスットは兄姉が多い有名伯爵家の末弟だ。
両親、兄たちは家柄と地位を使って家の事業を拡大し、姉たちも家柄を使って良い条件の下へ嫁いでいった。
レユスットは家族の価値観と家庭環境により、家柄や地位がないと何もできないと思い込んでいった。
レユスットは本人の才能と努力もあるが、自身の出世のために有能な聖騎士になった。
聖騎士となったレユスットは大聖女アンナを信仰するわけでもなく、人々の平和の為に魔物討伐を行うわけでもなく、自身の出世を強く望んだ。
そしてそれを魔王に利用されてしまった。
魔王は人の心の奥底にある欲望を見抜いて誘惑をしてくる。魔王の誘惑に打ち克つことなど不可能に近い。魔王の誘惑に負ければ、死後は魔界へと堕とされてしまう。
魔王はレユスットを見下ろす。
「欲望を抱く不完全な人間。堕とす事など容易い」
レユスットを見下してせせら笑う魔王を見て、マリーの中にいるアンナが魔王をきつく睨む。
(彼にそんな事をするなんて……!)
マリーの中にいるアンナは怒りを露わにして、過去の自分を思い出す。