聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 マリーは少しずつこの村での生活に慣れていき、一ヶ月が経った。
 マリーはハンナに言われてから辺境の村で色々な事をしてみようと思い、できる限りの事をしていった。
 マリーの歓迎パーティーを開いてくれたガルデ辺境伯は大聖女伝説に登場する英雄聖騎士が自分の先祖だとマリーへ嬉しそうに話していたのを聞いた。
 バラが咲く季節になり、ジェルブロゼ村全体に大聖女アンナの白バラが咲いて村を華やかに飾っている。
 マリーは村人たちと一緒にその白バラから希少な香水と精油を作るのを手伝った。
 さらにハンナから「女の子らしい事をしてみたら?」とアドバイスされ、その一つとしてオシャレを勧められた。
 聖女だったマリーは女の子らしい事をしたことがなかった。
 マリーは私服を白いブラウスと黒のロングスカートしか持っておらず、昔ハンナが着ていた服を譲ってもらった。
 マリーは毎日服を選ぶのが楽しみになった。

 そしてマリーは薄灰色の雲が広がり、小雨が降る肌寒い今日をハンナの実家で過ごしている。
 マリーは昼食を取り終えた午後をどう過ごそうか考えている。
 マリーはハンナの部屋に本があると言っていた事を思い出し、本を借りようと部屋へ向かう。
 マリーはハンナの部屋をノックしたが不在だった。
 マリーは部屋の扉を開けてハンナの部屋へ遠慮がちに入る。
 以前にハンナの部屋へ自由に入っていいと言われていたため、本を借りるために部屋に入った。
 ハンナの部屋は綺麗に整頓されており、壁一面の本棚は本で埋め尽くされている。
 本棚には聖書関係の本や歴史書、小説など様々な本が置かれている。
 マリーは聖書関係以外の本を読んでみようと思い、本棚の前に立つ。
 「う~ん……」
 マリーは背表紙のタイトルを眺めて、どの本を読もうか選んでいる。
 マリーは修道女になる前の幼い頃は本が好きでよく読んでいた。特に童話が好きで、王子様と出会うお姫様に憧れていた。
 マリーは本棚の前をうろうろしながら悩んでいると、「愛の調べと共に」という小説に目を止める。
 マリーはその本を手に取って開くと、ページをめくる手が止まらなかった。
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